福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

我が国の食糧事情(1)問題点 栄養過剰摂取 

2024年05月09日 03時47分33秒 | 医療、医学
 現代は世界各国からの食材が豊かで、通常の食生活を送っていれば不足する栄養素はないと考えていい。したがって、サプリメントなどで補給する必要はないと考える。
 しかしながら、マスコミを通じて連日誤った情報が流され国民は半ば健康不安を抱えていると言って良いだろう。サプリメント業界は紅麹問題のために若干の影響は受けているが相変わらず隆盛である。

 不確かな情報は不安の掻き立てる。

 我が国の食糧事情の問題点を3点に絞って鳥瞰してみる。そのうち、サプリメントに関しては記述の通りである。次は栄養過剰摂取食糧廃棄問題である。

 日本の糖尿病患者数は、生活習慣と社会環境の変化に伴って急速に増加している。


 糖尿病は放置または不十分な治療のもとでは網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし、失明したり透析治療が必要となることがある。
 
 失明の原因疾患は1位は緑内障(20.9%)であるが、2位は糖尿病網膜症(19%)である。

 2022年末における 透析患者総数は34.7万人。新規透析導入患者は14.330人、最多は糖尿病で38.7%を占めている。

 さらに、糖尿病は脳卒中、虚血性心疾患などの心血管疾患の発症・進展を促進する。
 これらの合併症は患者の生活の質を著しく低下させるのみでなく、医療経済的にも大きな負担を社会に強いており、今後も社会の高齢化にしたがって増大すると考えられる。 

 正常高値、境界型と診断された時はもちろん、糖尿病になる前から早期に生活習慣改善に取り組むことが重要である。
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紅麹サプリメントの健康被害(5)身体に良い食品はない

2024年05月08日 13時46分11秒 | 医療、医学
 これは一般論だが、「健康になれるなら」とすぐにサプリやその他の食品に手を出す前に「本当に必要なのか」、「自分に合っているのか」、「効能は本当か」と立ち止まる態度を、私たち消費者も身につけなければならない。 
 日本人はなんでも薬に頼り、薬漬けになる傾向がある。その文化を作った責任の一端は医師にもある。

 それに輪をかけたのが2001年の食品の錠剤化、カプセル形状化を解禁したこと。この形状は医薬品類似の印象を与え効能を信じさせることとなった。

 次に2015年、高齢者の蓄財を市場に呼び込み、経済を活性化させるために機能性表示食品制度が創設された。機能性表示食品とは事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品。販売前に安全性及び機能性の根拠などが消費者庁長官へ届け出たもの。消費者庁長官の許可を受けたものではない。現在、6000品目が発売されているという。

 高齢化社会ということもあってか、「健康にいい」、「からだにいい」という触れ込みの食品、サプリメント、健康術やグッズなどを生活に取り入れる人は増える、健康ビジネスも拡大している。

  サプリメントだけでも、その市場は5000億円強と言われ、「今後、更に成長して2兆円に達する市場」という見方さえある。

 サプリメントは一見科学的に検討された製品に見える。私の目から見て決して科学的とはいえないが見かけは科学的。このような「ニセ科学」は一見実際以上に「科学的」に見えるため簡単に信じられてしまう。背景には「藁にもすがりたい」「信じたい」という気持ちが背景にあるからだろうが。

 「健康」に関心を持つのは悪いことではないが、「あの博士が、大学教授がすすめるのだから確実」「官庁が認めたのだから安全で効果は抜群」と信用しすぎて「よいお客さん」にならないよう、常に注意は必要だ。

 一般的にはサプリは食品扱いだから危険はないと考えられている。身体に悪い食品はあるが100%安全な食品はない。

 また、単一の食品あるいは成分で明らかに健康に寄与するのはない

 いのちが有限であるということからは目をそらして、楽して、効能不明のサプリメントとかに頼って健康と長寿ばかりを願う現代社会。こんな状況は、いのちを粗末にしていることにつながっているように思える。


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慢性心不全急性憎悪?にて緊急入院(3) この1年間の体調はどうであったか

2024年05月07日 15時09分03秒 | 近況・報告
 この1年間は、経過によっては一瞬に心機能が停止する事態も十分考えられるために心臓に過負荷を与えないようにそろそろと生活した。
 その結果、日常的には全体に心臓が弱ったような感覚はあるが、緊急事態を窺わせる様な症状も一切なく、何とか無事経過し得た。

 ただ、以下のような状態がある。
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■治療薬のせいか頻尿
■疲れやすい
■根気が無くなった
■すぐに休みたくなる
■夜間の睡眠時間が延びた
■睡魔が襲ってくるために頻回に微睡とる
■歩行時急ぐと多少の息切れ感
■階段はせいぜい4F程度までソロソロと登るのが限度
■冷水を飲みたくなる
■歩数の減少に伴い下肢の筋力減退を自覚、これはマズイ現象
■などなど・・・・・・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 自覚症状が出たら、身体が求めていると割り切って争わずに従う。それが唯一無二の方法だろうと思う。

 それにしても昨季は降雪量が少なくて良かった。
 そんなことを考えながら今日も畑に野菜の苗を植えた。ただ、身体への負荷を考え株間の間隔を広く取り作業の軽減を図っている。
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慢性心不全急性憎悪?にて緊急入院から1年(2)  明らかに行動が狭くなった

2024年05月06日 10時02分05秒 | 近況・報告
 一時は厳しい呼吸苦で「来るべき時が来たかな??」とも思った。救急室の看護師の記録でも「喘鳴を伴う呼吸苦で重症感あり状態は良くない・・・」等の記載があるが、幸い、酸素吸入後は経過は思った以上に良好であった。

 救急到着時は意識も朦朧とし、何が何だかわからかったが、リザバー付きフェイスマスクで毎分10リットルの酸素を投与され、利尿剤投与を受けた後は比較的速やかに意識状態も呼吸苦も改善に向かった。

 一般的検査の結果、原因は急性心不全に伴う呼吸不全ということで循環器科の入院となった。それも1週間で退院できた。
 私は全く運がいい星の元に生まれた・・と今回も感じ入った。しかし、検査結果は決して甘くはなかった。

 自覚症状から見ると経過は良好で、検査結果には特段大きな異常は出ないだろうと甘く考えていたが、心臓の状態はその予想は裏切られ、結果が示されるたびに今後の人生の過ごし方を厳しく制限されることになった。

 考えてみれば何もない心臓でこのような重大な事態が急に起こるはずもないのだ。

 当座は「この世に戻ってきた」との喜びの感覚であったが、その後に行われた心機能の状況、データは思ったより良くない結果で、先々の生活に枷をはめなければならない程度であった。
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 ■心臓超音波検査;心拍出量48%。(前回2022.3は62%)。

 ■CTによる冠動脈造影:左前下降肢に70%??の狭窄 
 
 ■CPX(Cardiopulmonary Exercise Training)心肺機能検査。心肺筋の総力として2.7METs以内の範囲での行動が許される、という厳しいもの。日常生活の運動量としては、歩行ならば2-3Km/時の速度で20-60分、1日1-2回、3-5回/週程度レベル。
 ------------------------------------------------------------------

 上記の結果は退院後の自分の状況から見て、厳しすぎるような気がした。そうは言っても今後は心臓に過負荷を与えないようにそろそろと生活しなければならなくなった。経過によっては一瞬に心機能が頓挫し急死のコースも十分考えられるということで「ちょっとだけがっかりした」というのが実感であったが受け入れた。

 それでもこの1年は2.7METs以内の行動を意識しながらもダリアを栽培し、キウリ・ナス・トマトを収穫し、バス通勤で1日も欠勤することなく何とか無事に経過し得た。

 ただ、運動不足の感は拭え下肢筋力の衰えを自覚する。


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慢性心不全急性憎悪にて緊急入院から1年(1) 無事1年生きた

2024年05月05日 06時05分32秒 | 近況・報告
 私は15年ほど前から心臓に問題を抱えていた。基本は心房細動である。 

 それに一昨年来、完全左脚ブロックが加わった。心房細動も最初は時折生じる発作性心房細動であったが徐々に持続性の慢性心房細動になった。恐らく心臓に加齢または生活習慣による退行性変化が緩徐に生じていたのであろう。

 昨年3月の循環器科の定期チェックは経過観察のレベルでであったが、自分としては、人生の終末の一つの可能性として狭心症又は心筋梗塞?? あるいは鬱血性心不全??の確率が高いだろうと覚悟していた。

 従って、昨年5月5日に生じた慢性心不全急性憎悪と思われる病状は当初は驚いたが「遂に来たか!!!!」と想定内でもあった。だから、自分としては迅速に判断出来たし、救急車でなくタクシーでも良いだろうと病院に向かったのであるが、実際には時間的には厳しかった。到着時気を失う一歩手前であった。

 私はあと数日で79歳になる。思えばいろいろ病気をしたもんだ、と思う。
 これを機会に、私の疾病歴を項目だけをざっと振り返ってみた。

 自分の主な疾病歴は以下の如くである。 
――――――――――――――――――――――――――――――
■1945年出生。新生児期は虚弱で戦時下もあり育たないだろうと思われていた。 
■1951年難治性急性胃腸炎で匙を投げられる。恐山のイタコに願掛けした。
■1953年小学生5年盲腸周囲膿瘍で手術。 
■2007年8月1日膀胱頚部硬化症(経尿道的切開)+膀胱憩室手術(腹部正中切開)。 
■2007年頃から発作性心房細動自覚、2012年慢性心房細動。
■2008年肺がん疑い 器質性肺炎であったか?
■2011年緑内障・白内障の診断 点眼治療開始。
■2012年10月腸閉塞 内ヘルニアで腹腔鏡手術。  
■2012年11月心原性脳塞栓 後遺症なく改善。
■2017年5年ほどの経過で右下腹部に鼠径ヘルニア増大あり、手術。
■2022年10月大腸憩室から出血。内視鏡的止血術。輸血には至らず。
■2023年5月鬱血性心不全で緊急入院(今回)

――――――――――――――――――――――――――――――
 
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紅麹サプリメントの健康被害(4)機能性表示食品(サプリ) 特定保健用食品(トクホ)

2024年05月04日 17時57分31秒 | 医療、医学
 私どもが口に入れる食品は一般食品と医薬品に分類される。

 私は、健康被害が生じるような危険な食品に関する情報さえあれば、詳細まで法で決める必要はない、と思っていた。しかし、現在は薬品まがいの工業製品が食品やサプリメントとして大量に流通する時代、それらを規制する必要が出てきた。

 食品と健康食品、健康被害の歴史を追ってみる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――-
1971年 医薬品まがいの健康食品が増え食薬区分が通知された。
1991年   トクホ制度創設
2001年 食品の錠剤化、カプセル形状化を解禁。
2002年 個人輸入などの中国製ダイエット食品で健康被害796
   人、死亡4人発生。
2003年 雪茶で肝障害
      アマメシバ 閉塞性気管支炎8人、死亡1人
2013年 米国製サプリで2名が急性肝炎。

2015年 機能性表示食品制度創設

2018年 プエラリア・ミリフィカによる健康被害
     タイに分布するマメ科の植物。植物性エストロゲンが含まれる。タイでは
    「若返り」の特性があるとされ利用されている。
     日本では、バストアップやスタイルアップ等の美容を目的とした健康食品
     に含まれていることがある。生理不順や不正出血など婦人科系の
     健康危害が生じた。

2024年 紅麹事件
――――――――――――――――――――――――――――――――――-

 食品は下表の如くに一般食品と健康への関与を謳った機能的食品に分けられる。


機能性が表示されている食品

●特定保健用食品(トクホ)
 健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている食品。表示内容や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可。

栄養機能食品
 必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基 準量含む食品であれば、特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって機能性を表示できる。

●機能性表示食品
 事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたもの。消費者庁長官の個別の許可を受けたものではない。現在、6000品目が発売されているという。
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紅麹サプリメントの健康被害(3)小林製薬の対応の問題点

2024年05月03日 05時36分14秒 | 医療、医学
 この世は不正・隠蔽などに満ちている。

 私どもは五感を駆使して身体の安全や生命を守っている。
 しかし、現代社会では各分野ともに門外漢は到底理解できないレベルの高度の技術、知見が駆使されており、個人的危険回避の判断力はほとんど有効に働かない状態で、「全て他人任せにせざるを得ない」に近いのが現状である。

 そうなると信用のみが判断の重要な因子となる。特に、食品関連、薬剤に関しては企業の責任が問われることになる。

 紅麹問題は本年1月15日「紅麹コレステヘルプ 」の利用者を診察した主治医から健康被害についての問い合わせがあって問題発覚した。当初、可能性として挙げられたシトリニンは未検出、3月16日別の未知の物質が検出され、3月21日消費者庁へ報告、3月22日保健所に届出たことで厚労省把握が把握した。この間死者も明らかになった。にもかかわらず自主回収決定まで2ヶ月を要している。この間も販売は継続されていた。

 小林製薬の対応を見ていると組織に共通する誤った意思決定の過程が認められるのではないか、との印象を受けた。

 一つは企業としての実績の積み重ねと得られた社会的信用に根ざした「過信」、不都合な情報の「軽視」と「隠蔽」、二つ目は会社組織の「結束力」による組織内同調傾向と集団合議体制による個々人の責任の曖昧化などである。

 人は「結束力」が高いほど 権威に従う同調の心理が働く。集団における規範の形成にあたっては、個々人は必ずしもそう思っていないのに、「会社のために」、「自分の立場を守るために」の心理が働き権威や多数派の意見に同調してしまう。この状態ではもはや集団としての理性的判断はできなくなる。小林製薬の記者会見等におけるシドロモドロの対応を見ているとそのように感じざるを得ない。

 私はなかなかヒトを、企業や組織を信用できない。性善説と性悪説とに分けるとするならば明らかに後者の立場に立つ。

 その立場で見れば、この社会は不正・隠蔽などに満ちていると考えていて心安らかではない。しかしながら、通常に流通している物品などについては日常的には疑いを持ちようもない。立派なブランドを確立している企業などについては、悪き情報が露わにならなければ疑いようもない、というのが現実である。そうは言っても、全てについても100%信じているのではない。そういう自分が情けなくなることもある。

 それでも私どもは五感を駆使して身体の安全や生命を守っている。「よく分からないが何かおかしい」、と感じることが原点である。

 しかし、新聞を見れば連日の如くに特殊詐欺の被害が報じられている。「どう考えても理解できない様な怪しげな誘いに乗ってしまうのか??」これほどヒトは自己判断力を失ってしまったのか??

 安易にサプリに頼る心理も五感力の減弱が背景になっているのでないか、と思う。
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紅麹サプリメントの健康被害(2)「紅麹コレステヘルプ 」とは

2024年05月02日 17時38分29秒 | 医療、医学
 小林製薬が発売した紅麹を含む「紅麹コレステヘルプ 」など、機能性表示食品として国に届け出た3商品を摂取した消費者は、延べ1541人が医療機関を受診し、延べ270人が入院、5人が死亡した。
(小林製薬のHPから借用)

  報道によると小林製薬の「紅麴コレステヘルプ」は、「悪玉コレステロール」を下げるかもしれない機能性表示食品として2021年4月に発売され、24年2月末までに約110万袋が販売された。

 紅麹自体は食品の着色料の一つとして長期の販売実績があるが、今まで健康障害の報告はなかった。健康被害は最近の製品に限られる。だから、紅麹自体が問題なのではなく、「紅麴コレステヘルプ」の製造過程に最近なんらかの問題が生じたものと考えられた。

 当初想定された腎障害のある異物シトリニンは検出されず、プベルル酸が混入していたとされるが、どのような過程で混入したのか、プベルル酸が腎障害の原因であるかはまだ分かっていない。

 小林製薬のHPによると、「紅麴コレステヘルプ」は10日分1000円程度で発売されている。
 製品の説明事項として以下が記載されている。
―――――――――――――――――――――――――――――――――-
●本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません
●本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
●本品は、疾病に罹患している者、未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む)、及び授乳婦を対象に開発された食品ではありません。
●疾病に罹患している場合は医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。
●体調に異変を感じた際は、速やかに摂取を中止し、医師に相談してください。

―――――――――――――――――――――――――――――――――-

 製造業を中心に企業が関連する不正や隠蔽は現社会では頻回に生じている。しかしながら、今回の紅麹サプリメント問題は直接利用者の健康に関するもので、死者も出ていることから小林製薬の対応の是非が問われ、原因物質の検討被害者の救済が急がれている。
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紅麹サプリメントの健康被害(1)健康のためサプリ 本当に必要か

2024年05月01日 02時14分39秒 | 医療、医学
 紅こうじ原料を含むサプリメントが原因とみられる健康被害が明らかになった。

 1月から2月にかけて、医師から製造した製薬会社に「腎疾患を引き起こす成分が含まれているのではないか」などの照会が複数あったことが発覚のきっかけだった。
 今回の事象は「サプリは一定の効果が期待できる食品であり、副作用も無いから安全」と考えて利用していた人たちには衝撃だったのではないか。

 「もっと健康になりたい」、「いつまでも若くいたい」という人間の欲望には限りがない。それを受けて、消費者の選択肢を増やすために2015年「機能性表示食品」という制度ができた。今回のサプリメントもそれに該当する。

 この制度の管轄は国民の健康を扱う厚労省ではなく、消費者庁である。
 消費者庁は消費者被害の未然防止・拡大防止を図るため、相談情報の分析や商品テストを行い、その結果を消費者への啓発・注意喚起に活用し、行政機関や事業者団体等に要望・情報提供していくことを旨としている。

 「機能性表示食品」とは「安全性の確保を前提とし、科学的根拠に基づいた機能性が、事業者の責任において表示出来るもの」となっている。要するに、事業者の情報をもとに商品を選択するのは、あくまで「消費者」で、国には責任がない、ということ。

 しかし、いくら「食品扱い」であってもサプリメントなどは自然界に無いほど成分が濃縮されているから人体にさまざまな影響をもたらし得る.「レモン20ヶ分のビタミンC」、とか「シジミ300ケ分のオルニチンが一粒に」・・・などの広告が並ぶ。

 私自身、診察室でそれらしき患者に「何かサプリメントを飲んでますか??」と質問する。
 半数以上が「yes」と答える。
 私は「そうですか」と半分呆れて「でも、それがあなたに本当に効果があるかどうかは、保証できませんよ」とつけ加える。

 すると患者は「でも、これってちゃんと資格を持った先生や大学教授がすすめているんです」などと言う。「だからあやしげなのだ」と私はいう。
 診察室での会話、半ば「いたちごっこ」なのだが患者たちは真剣である。

 何10年にもわたって健康管理をしている私よりも、新聞やTVに登場する権威者の方の信用度が高いのは面白い現象である。
 メディアなどの影響はとてつもなく大きい。


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季節の話題2024(5) ボタン開花

2024年04月29日 04時10分03秒 | 季節の話題
  今朝、庭のボタンが一斉に、といっても四株だけであるが、開花した。
 くだらん説明は不要、見事な花の主張を素直に受け入れよう。
(見事な大輪の濃いピンク 清楚な白 赤は手前と奥の二株が多少色調が違う)

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日本の人口問題2024(19) 国立社会保障・人口問題研究所推計(3)

2024年04月28日 06時35分21秒 | 時事問題 社会問題
 民間組織「人口戦略会議」が、全国744自治体について「将来的に消滅の可能性がある」と発表した。
 今回、「消滅可能性自治体」とされたのは、「出産の中心世代となる20~39歳の女性が2020年から50年にかけて50%以上減ると予想される自治体」 。

 もちろん、組織はこれらの自治体に脅しをかけるつもりではなく、少しでも人口減を防ぐための方策を講じてほしい、という意図でそうしたのだろう。公開の宛先は自治体ではなく国である。

 しかしながら、多くの自治体はそのように捉えてはいない。「地方の努力に水を差す報告書だ」、「消滅という言葉は不適切」・・・の評価も少なくない。報告書の真意はどこにあるのかを論じて欲しい。

 それ以上に、我が国の国政に関与している人たちにこの報告書の意味を感じ取ってほしい。

 どの自治体もこれまでも人口の自然減や流出を放置していたわけではなく、あの手この手を打ってきたはずだ。
 各自治体の施策もメディアはそれを紹介しつつまとめて国に突きつけてほしい。

 人口減に歯止めがかからないのはなぜか。
 私はその原因として対策が、もう遅きに失していて若い子宮が不足しているから効果が出ないということとと、東京への一極集中から脱しきれないため、と考える。

 地方創生政策とは何だったのだろうか。
 東京至上主義は意外に根強い
 特に一般庶民は自分の能力を活かすために、収入を得るために現状では経済活動が旺盛な東京などの大都市圏に行かざるを得ない。生活ができないからである。地方から女性がいなくなる主因である。

 政府が主導した官庁の移転は文化庁の京都移転のみであった。国が大鉈を奮って地方に主要な機能を移さなければ地方の経済は活性化しない。経済のないところに若者は住めない

 ネットが普及し、更にコロナ禍もあって「全国どこでも仕事ができる」という雰囲気ができたかのように思われたが、会社機能を地方に移す企業などはそれほど多くない。

 大学も東京に集まっている。
 首都機能移転の話もいつの間にか語られなくなった。

 消えゆく運命を背負っているのは、その自治体だけの責任なのか。自治体は当事者でもあり、先を読めない国策の被害者でもある。

 国が真剣に「自治体の消滅」を防ぎ国を健全に維持しようと考えるなら、まずは「東京一極集中」の仕組みの解消に再度本気で取り組むべきだ。

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日本の人口問題2024(18) 国立社会保障・人口問題研究所が将来推計発表(2)

2024年04月27日 10時29分37秒 | 時事問題 社会問題
 民間有識者でつくる「人口戦略会議」は、全市区町村の4割にあたる744自治体がいずれ、人口減によって行政の運営が困難になり、「消滅する可能性がある」とする報告書を公表した。

 こうした報告書は10年前にも示された。今回は「消滅可能性自治体」の数が前回調査から152ヶ所減少した。だがその理由は、地域の問題点が解消されるのではなく、労働目的の外国人が増えるためで、日本人人口の改善によらないというもの。

 「消滅可能性」の根拠として、出産の中心世代とされる20-39歳の女性人口が今後、50%以上減ることを挙げている。単純に考えれば、日本の人口1億人を維持するのに現在1.2ほどの出生率が2.0以上なくてはならないが、それが4.0ほどにならなければ維持できないということである。実現不可能、対策は子宮の輸入しかない。

 日本の総人口は近年、60万人前後のペースで減っている。島根県一県が消滅するのに等しいほどの速度である。2100年には6277万人に半減するとされる。
 現在29%の高齢化率は40%に達し、経済は縮小し、食糧生産は落ち込み、介護や防災など行政機能の維持も難しくなる。いや、それ以上に国を維持するための防衛力すら維持できなくなる。

 結婚や出産は、個人の意思が尊重されるべきだ。ただ、経済的事情などで結婚や出産の希望が 叶わないのであれば、一部のケースについては支障を取り除くことにはなるだろうが、実際の原因は経済の問題にあるのではない。

 人間としての、生物として情感が乏しくなっていることが主因になっているのではないか。

 現在、政府は少子化対策に必死であるが、私から見て隔靴掻痒の感は拭えない。政府が力を入れているのは、少子化対策に直接影響する施策ではなく間接的効果しかない子育て支援対策である。
 今までの少子化対策があまりにも稚拙であったために出生率はここまで落ち込んできたが、こんな政策ではいくらお金かけても出生率は向上しない

 日本の出生率、出生数は婚姻の数に比例するという特徴がある。若い世代の結婚を後押しするために若者の経済状況が潤わせなければならない。それは大事だがすぐにできるわけではない。母子家庭・父子家庭も安心して子育てができる社会環境の整備が必要である。
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日本の人口問題2024(17) 国立社会保障・人口問題研究所が将来推計発表

2024年04月26日 05時07分30秒 | 時事問題 社会問題
 民間組織「人口戦略会議」は4月24日、744自治体を「消滅可能性自治体」と指摘する新い報告書を公表した。

 10年前に全国896自治体が消滅する可能性があると警鐘を鳴らし、政府の「地方創生」政策の起点となった「増田レポート」と言われる推計の公表から10年経過した。速いものである。
(2014年出版された推計レポート 本は売れたが社会の改変にはあまり役立っていない)

 10年前は言葉が一人歩きし、まるで過域が消え去るような誤解が広がったが、人口減少問題に関心がある私から見て、この10年間でいい意味で変わったことはほとんどない様に思われる

 今回の報告は独自のデータ処理はなく、国の機関の推計をそのまま当てはめた。

 「地方消滅」とはインパクトが大きい言葉である。「消滅」という言葉を使ったことにも批判がある。地域に住民が住んでいる間は具体的に「消滅」するのではなく、人口減少のために自治体運営が立ち行かなくなる可能性を指したもの。具体的「消滅」ではなく機能的消滅を指す。現に「小学校廃校・統合」「消防の広域化」「ローカル線の廃線」「バス路線の廃止」「秋田県の二次医療圏の統合」などなどは人口減少のために自治体運営が立ち行かなくなってきているの証左である。

 10年前に「消滅」の言葉に浮足立った自治体は、「地方創生」の下で各地の将来像を急ぎ足で描くよう迫られ、人口減の緩和に向けた競争に駆り出れた。結果的に人口減防止対策や人口減に適応した社会の模索を求めるはずが、若者の奪い合いといった形が目立ち、人口減対策としてはむしろ後退したケースも目立つ

 その判断の唯一の論拠は、地域の20-39歳の女性が将来半分以下になるとの推計だ。当然である。その判断は正しい。
 人口減対策の唯一の方法は「生きのいい、若々しい子宮の輸入」しかない。

 各市町村ごとの人口推計は誤差がきい。実際、2014年時の増田レポートが描いた来像とその後10年の現実に乖離が生じた例は少なくない。そんなことは当然のことである。そんな些細なことを問題にする必要はない。

 増田レポートの言わんとする根幹は私は正しいと思う
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季節の話題2024(6) 桜を愛でる気持ちが乏しくなった

2024年04月25日 02時50分34秒 | 季節の話題
 桜を私は自分独自の季節の変わり目の花として捉えている。
 簡単にいえば除雪から解放された日が春の訪れであり、桜が散ったあたりから夏が始まる。

 秋田地方気象台は4月10日秋田市の桜の開花を発表。平年より7日早く、これまでで最も早かった去年より6日遅い。

 私の通勤路脇の桜もほぼ満開、通るたびに季節感を味わっているが連日徒歩で通勤し蕾の状態を見ていた時よりも感激は薄い。今はバスとか家内に同乗して通勤していて桜の蕾の状態を近くで観察することはほとんどなくなった。

 便利なもの、特にスピードが速い移動手段は周辺の事象に対する感受性を疎くする大きな原因の一つである。そういう意味ではせいぜい自転車移動が身近な自然を味わうのにちょうど良いレベルだ、と思う。

 4月14日の週、秋田市内千秋公園の桜が満開を迎えた様である。
 秋田に来た1973年(昭和48)頃は市内の桜の満開は4月下旬頃であった様に思う。ここ数年この時期はとても暖かく、開花・満開が総じて早くなってきている。もう今日の段階でパラパラと散り始めている。私に夏が来る。

 千秋公園は例年であれば桜祭りが行われる。屋台が出たり観桜会などが開催される。今年は4月14日の日曜は午後に出勤したのであるが、通勤路は千秋公園に向かう人たち、あるいは帰る人たちで賑わっていた。

 私の体調も今ひとつであと何回観桜できるかわからないが、桜開花に伴う気持ちの高揚も中途半端である。それに人混みがストレス。

 15日月曜日は健康クリニックのドック担当日であったが、年度初めということもあって受診者はいつもの半数程度で11時頃には業務が終了した。
 千秋公園は健康クリニックから徒歩で15分くらいの距離なので行ってみた。月曜ということで人出は少なかった。またいつもなら広場周辺にずらりと並ぶ屋台も半分程度であった。昨日の状態は見なかったが、もう他の満開の地域に早々に移動したのかもしれない。

 千秋公園の桜は一般的に花勢が乏しい。老木のためなのだろうか?
(4月15日月曜午前の千秋公園広場の様子)

 私は夏が好きであるが、近年の夏は快適を通り越して苦痛なほどの猛暑、酷暑である。今年はどうなるのか、不安半分、楽しみ半分である。
 


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季節の話題2024(5) 目を和ませる小さな花たち

2024年04月24日 02時50分34秒 | 季節の話題
 花の季節である。同時に園芸作業も始まった。

 なんで花は美しいのか?のために美しいのか??私の疑問はまだ解けていない。
 今私たちが愛でる花々は種々改良の手が入っている。いわばヒトが自分達が楽しむために一層綺麗に改良されている。
 しかしながら、人間が現れる前にも多くの花の原種があったはず。その時代にも花は美しく咲いたであろう。花の目的は受粉にある。受粉作業を担ってくれる小動物たちに目立つように種々の姿で咲いたであろうが、これほど美しく多彩な姿である必要はあったのだろうか??果たして彼らには美的意識はあったのだろうか??疑問である。

 これから木々・草木は緑に萌え、種々の花々が次々と開花する。
 いい季節になったが、それ以上に萌え上がる「名も無い草たち」との対話が始まる。
 明日は天気がいいようだ。今季初の草刈を始めようか。




(庭先の小さな花たち 名前など思い出せないが目を和ませてくれる)
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